Blog
2026.8.20
「断熱材って、厚ければ厚いほどいいんですよね?」
家づくりを考えている方から、よくいただく質問のひとつです。
答えは、シンプルです。
「断熱材そのものは、厚い方がいいです。」
断熱材は、厚みを増やすことで熱を伝えにくくすることができます。
だから、同じ種類の断熱材を使うのであれば、基本的には厚い方が断熱性能を高めやすい。
でも。
私たちは、そこで話を終わらせたくありません。
なぜなら、
「断熱材が厚い家=断熱性能の高い家」
とは限らないからです。
断熱材の「厚さ」だけを見てはいけない。
例えば、壁に100mmの断熱材を入れる。
それだけを聞けば、しっかり断熱されているように感じます。
では、その壁の中に、
断熱材をきれいに入れられない場所があったら。
構造上、断熱材が途切れている部分があったら。
柱や梁など、熱を伝えやすい部分がそのままになっていたら。
断熱材が100mmあるという事実だけでは、
家全体の断熱性能を語ることはできません。
大切なのは、断熱材そのものだけではなく、
「家全体として、どれだけ熱を逃がさないようにできているか」
という視点です。
「熱橋」という、見えない弱点。
住宅の断熱を考える上で、
私たちが特に注意しているもののひとつが「熱橋」です。
熱橋。
文字通り、熱の橋です。
断熱材は、熱を伝えにくくしてくれます。
一方で、構造材などは断熱材と比べて熱を伝えやすい。
そのため、建物の構造や納まりによっては、
断熱材がしっかり入っている部分と、
熱が伝わりやすい部分が生まれてしまいます。
そこが、建物全体の断熱性能を考える上での弱点になる。
つまり、
「断熱材をどれだけ厚く入れたか」だけではなく、
「熱橋をどれだけ減らしたか」
を見る必要があります。
断熱材の厚みを増やすことは大切。
でも、それだけでは十分ではない。
だからこそ、断熱は「材料選び」だけではなく、
設計と施工まで含めて考えるものだと私たちは考えています。
「厚い断熱」から、「途切れない断熱」へ。
家は、一枚の大きな断熱材で包まれているわけではありません。
壁があり、床があり、屋根があり、窓がある。
そこには、構造上どうしても複雑な部分が生まれます。
だからこそ、
「ここには何mm入っています」
という説明だけではなく、
「その断熱は、家全体でちゃんとつながっていますか?」
という視点が必要になります。
断熱材を厚くする。
もちろん大切です。
しかし私たちが目指しているのは、
単純に「厚い断熱材を使った家」ではありません。
家全体をひとつの断熱体として考えること。
それが、ERBENの考える断熱です。
数字の奥に、暮らしがある。
断熱性能は、UA値などの数字で表すことができます。
数字は、とても大切です。
感覚だけでは比較できないものを、
数字なら客観的に見ることができるからです。
けれど、数字は目的ではありません。
その先にあるのは、
冬の朝、布団から出たときの空気。
廊下に出たときの温度差。
夏の午後、強い日差しが照りつける時間の室内。
家族が集まるリビングで過ごす時間。
そして、
「なんとなく、この家は心地いい。」
と感じる、何気ない日常です。
性能は、数字のために存在するのではありません。
その数字の奥にある、暮らしの心地よさのためにある。
私たちは、そう考えています。
だから、ERBENは「断熱材の厚さ」だけを語らない。
断熱材は、厚い方がいい。
それは間違いではありません。
でも、厚くすることだけをゴールにはしない。
断熱材が入りにくい場所に、
断熱のロスが生まれていないか。
熱橋は、きちんと処理されているか。
設計と施工の中に、
断熱性能を損なう弱点が残されていないか。
そこまで考えて、初めて、
「断熱性能の高い家」
と呼べるのではないでしょうか。
だからERBENでは、
「断熱材を何mm入れています」
だけでは終わらせません。
「家全体を、どう断熱するのか。」
そこから考えています。
断熱とは、断熱材の話だけではありません。
家そのもののあり方を考えること。
それが、私たちERBENの考える断熱です。
ERBEN
高山 良樹

